12年目の恋物語
さて、何をするか。
いったい、ハルちゃんに何が起きたのか?
そこにメスを入れるより、ハルちゃんの心のケアの方が大切な気がする。
「先輩、わたし、なにができますか?」
寺本さんがボクの顔を真剣な表情で見てきた。
「それをボクに聞くの?」
他力本願は嫌いだ。
「だって、先輩、わたしたちの知らない陽菜を知ってるじゃないですか」
「なるほど」
「でもって、ぜんぶ、教えてくれる気はないでしょう?」
思わず笑みがもれる。
そのまま笑いがこみ上げてきた。
「あはははっ」
「笑うとこですかぁ?」
面白い。
面白すぎる。
「じゃ、キミは、ボクの手足になって動くってことでいいの?」
冗談半分に言ってみると、寺本さんは真顔でうなずいた。
「はい。どんどん使ってください」
「……本気?」
心外だと言うように、寺本さんは答えた。
「こんなこと、冗談で言いませんよ」
いや。
普通は、冗談でしか言わないだろう。
いったい、ハルちゃんに何が起きたのか?
そこにメスを入れるより、ハルちゃんの心のケアの方が大切な気がする。
「先輩、わたし、なにができますか?」
寺本さんがボクの顔を真剣な表情で見てきた。
「それをボクに聞くの?」
他力本願は嫌いだ。
「だって、先輩、わたしたちの知らない陽菜を知ってるじゃないですか」
「なるほど」
「でもって、ぜんぶ、教えてくれる気はないでしょう?」
思わず笑みがもれる。
そのまま笑いがこみ上げてきた。
「あはははっ」
「笑うとこですかぁ?」
面白い。
面白すぎる。
「じゃ、キミは、ボクの手足になって動くってことでいいの?」
冗談半分に言ってみると、寺本さんは真顔でうなずいた。
「はい。どんどん使ってください」
「……本気?」
心外だと言うように、寺本さんは答えた。
「こんなこと、冗談で言いませんよ」
いや。
普通は、冗談でしか言わないだろう。