12年目の恋物語
「んあ? ……羽鳥先輩から、伝言?」
「そう。聞く?」
羽鳥先輩。
ハルと仲がいい2年のクールなイケメン。
学年トップの成績を誇り、笑顔が優しい……嫌みな人物。
考えたくもないけど、
もしかしたら、ハルが好きなヤツ。
「………………言えよ」
意を決して言うと、志穂はにっこり笑った。
「ハルちゃんとの仲を取り持ってやろうか?」
………………は?
「もう一回、聞きたい?」
思わず頷く。
「ハルちゃんとの仲を取り持ってやろうか?」
オレは突っ伏していた身体を起こし、志穂をマジマジと見る。
「……いくら、わたしを見たって、羽鳥先輩にはならないよ?」
「バカ。当たり前だ」
「どうする?」
どうする、って言うか。
「なんで、羽鳥先輩が、そんな伝言よこすんだよ!?」
「陽菜のとこ、毎日お見舞い行ってるから」