12年目の恋物語

「んあ? ……羽鳥先輩から、伝言?」



「そう。聞く?」



羽鳥先輩。

ハルと仲がいい2年のクールなイケメン。

学年トップの成績を誇り、笑顔が優しい……嫌みな人物。



考えたくもないけど、

もしかしたら、ハルが好きなヤツ。



「………………言えよ」



意を決して言うと、志穂はにっこり笑った。



「ハルちゃんとの仲を取り持ってやろうか?」



………………は?



「もう一回、聞きたい?」



思わず頷く。



「ハルちゃんとの仲を取り持ってやろうか?」



オレは突っ伏していた身体を起こし、志穂をマジマジと見る。



「……いくら、わたしを見たって、羽鳥先輩にはならないよ?」



「バカ。当たり前だ」



「どうする?」



どうする、って言うか。



「なんで、羽鳥先輩が、そんな伝言よこすんだよ!?」



「陽菜のとこ、毎日お見舞い行ってるから」
< 158 / 203 >

この作品をシェア

pagetop