12年目の恋物語
ベッドにひっくり返って、ハルの言葉の意味を考える。
教えてくれたのは羽鳥先輩だけど、オレの脳内では、ハルの声に自動変換されていた。
「カナは、責任を感じて、わたしの世話を焼いてくれてるんです」
「わたし、カナの自由を、ずっと奪ってきた」
「わたし、カナを12年間、ずっと、縛り付けてた」
なんで?
ハル、なんで、そんなこと言うの?
オレは、ハルが好きで、好きで、ずっと好きで……。
4歳のとき、
オレはハルに恋をして、
それは紛れもなく、オレの初恋で、
オレは、ハルに惚れて、惚れて、惚れ込んで……。
オレは、
一生、ハルといるんだって、決めた。
一生、ハルを守るんだって、決めた。
それは、誰に言われたからでも、ましてや、責任感なんて、そんなものからであるはずなくて。
縛り付けられてた覚えなんてなくて、むしろ、もっとオレを頼って、束縛してもらえたら嬉しいくらいで。
オレはいつだって自由だったし、自由にハルにまとわりついていた。
ハルは、なんで、そんなことを言うんだ?
オレは、頭がパンクするんじゃないかと思うくらいに、考えた。
だけど、やっぱり、答えは分からない。
ハルに直接、聞いてみたい。
ハルに、どういう意味って聞いてみたい。
ねえ、ハル、責任って、何のこと?