12年目の恋物語
カナと食べる気詰まりとは別の疲れを感じながら、昼休み終了の予鈴で、わたしは自分の席に戻った。
「ありがとう」
そう言うと、しーちゃんたちは、口々に、
「いつでもおいで!」
と笑顔を見せてくれた。
しーちゃんは優しい。
それから、明るくて、とても活発。
肩までのサラサラのボブヘアは、小学生の頃から変わらない。
正義感が強くて、男の子にだって負けていない。
でも、高校生になって、前よりずっと女の子らしくなった。
カナがいなければ、もっと、ずっと仲良くなれたかも知れない……。
一瞬、そんな思考に捕らわれ、わたしは愕然とした。
なんて恩知らずな……。
午後の授業を聞きながら、自分のふがいなさに、涙が出そうだった。