12年目の恋物語
わたしの世話……。
そう、カナはわたしをいつも助けてくれる。
わたしは、生まれつき心臓が悪い。
だから、しょっちゅう学校を休むし、体育ももちろん見学だ。
急に具合が悪くなって、保健室のお世話になることも、日常茶飯事。
カナは、いつも、そんなわたしの世話をしてくれる。
12年間、同じクラスだった。
幼稚部の年中さんから、初等部、中等部、そして高等部1年生の今。
ずっと同じクラスの腐れ縁。
家も隣だから、学校のプリントを届けてくれるのも、いつもカナ。
それから、カナが選ぶのは、保健委員。
毎年、必ず立候補。
だから、具合が悪いわたしを保健室に連れて行くのは、いつもカナ。
中等部の途中からは、身体の大きいカナは、わたしを軽々抱き上げて、保健室まで運んでくれるようになった。
いつも笑顔で、元気で、そして、明るいカナ。
クラスの人気者。
休みがちなわたしが、クラスに溶け込めるように、さりげなくフォローしてくれる。
優しい、優しい、カナ。