12年目の恋物語
広瀬と牧村。
GW前くらいまでは、普通に仲が良かった。
公然とイチャイチャしたりはしないけど、長年の公認カップルと言われるのが相応しい落ち着いた空気を醸し出していた。
今は微妙な広瀬も、その頃は、ずっと余裕があった。
GWに入る直前。
今思えば、あれが最初かも、と思う出来事があった。
授業中、牧村が、斜め前方に座る広瀬の背中をじっと見ているのだ。
付き合っているなら、彼氏の背中を見つめるのは普通かも知れない。
だけど、牧村は、まるで今にも泣き出しそうな、苦しそうな表情だから驚いた。
もしかして……。
「大丈夫? 具合悪い?」
思わず声をかけると、牧村は驚いたような顔をして、左右に首を振った。
GW前くらいまでは、普通に仲が良かった。
公然とイチャイチャしたりはしないけど、長年の公認カップルと言われるのが相応しい落ち着いた空気を醸し出していた。
今は微妙な広瀬も、その頃は、ずっと余裕があった。
GWに入る直前。
今思えば、あれが最初かも、と思う出来事があった。
授業中、牧村が、斜め前方に座る広瀬の背中をじっと見ているのだ。
付き合っているなら、彼氏の背中を見つめるのは普通かも知れない。
だけど、牧村は、まるで今にも泣き出しそうな、苦しそうな表情だから驚いた。
もしかして……。
「大丈夫? 具合悪い?」
思わず声をかけると、牧村は驚いたような顔をして、左右に首を振った。