教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
で、駅の中に入ったのはいいのだけど広くてどこへいけばいいかわからない。


固まっていると先生に笑われた。


「お前、わからないのに先に行こうとしてたのか?」


「べ、別に笑わなくてもいいじゃないですか」


「いや、お前らしくてかわいいと思ってさ」


「か、かわ…?あのう、先生それはいわゆる…」


ああ、先生がいきなりそんなことを言うからもう頭がパニック状態だ。


「何言っているんだ?」


「あっ、今のはスルーして下さい」


「今日、お前寝てた方が良かったんじゃないか?」


「どういう意味ですか?」


「だって今日のお前、おかしいぞ」


「先生と2人きりの土曜日が過ごせると思えばおかしくもなりますよ」


「えっ」


先生の顔が赤くなる。


ヤバい。


男の人が赤くなるとか、やっぱりかわいい。


何回見てもかわいい。


「俺を何回もこんな気持ちにさせるなんて7年早い。今夜立てなくしてやろうか」


「ぎゃあああー!」


この人、赤いのを除けば普通の顔なのにさりげなく朝からとんでもないこと言ってるー!


しかも7年って微妙な数字だな。


どこから出てきたんだろう。


7年後といえば23…いや、もうすぐ17だから24歳だ。


あたしだけじゃない。


先生もわけがわからなくなっている。


こんなんで本当に大丈夫なのかな。
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