教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
その後、あの場所を後にしたあたし達は街をうろついていた。


だけど2人ともさっきまでの出来事があったせいか、ちょっと話すのが気まずい。


「お前、何時に帰るんだ?」


急に話しかけられてどぎまぎしながらあたしは答える。


「うーん、とりあえずいつもの睡眠時間に影響がない時間で」


「なんだ、そりゃ」


先生はおかしそうに笑った。


「あたし23時には寝ないと授業中に居眠りしちゃうんです。睡眠時間ががたくさん必要な体質みたいで。あっ、それとも低血圧だからかな」


「そうなのか。俺、逆に高血圧気味だからわからないや」


「えっ」


それ、初めて知ったんですけど。


「あ、これ嘘ね」


おいおいおい。


ツッコもうとしたらいきなりラップが聞こえてきた。


「たまには息抜きいいんじゃない


気張りっ放し無理がある


人間なら当たり前


疲れるのは当然さ


たまには癒そうぜ、心


癒すために見た映画


涙ボロボロ流す俺


結局心癒せねぇ


そんな日常毎日続く


それがいい


人生なんてそんなもの


ワンパターンじゃつまらない


つまらない人生なんていらないさ


Ah…」


内容になんとなく苦笑。


こんな朝から路上ライブかな。


…あれ?
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