教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
第十八楽章 許されぬ想い
「青葉か」
気まずそうな顔をした先生がドアの向こうから姿を現す。
「何しているんだ?」
「先生、昨日のことなんですけど…」
あれは納得出来ません。
理由を言ってくれないなら、あたしは別れません。
そう言おうとすると先生が遮ってしまった。
「なぁ、青葉」
「はい?」
「誰しもみんな人に言えない秘密がある。それが人間ってものだ」
「はい」
「俺の場合、それがお前と別れなければならないものなんだ」
「だったらなんで今まで?」
「記憶の底に封印していた。しかし、あのラップを聞いた時、思い出してしまった。過去を」
反論しようとすれば出来た。
しかし、あたしは何も言えなかった。
キーンコーンカーンコーン。
本鈴が控え室に響く。
「もう時間だ。行きなさい」
「先生、そんな言葉遣いしたことなかったですよね?」
そんなことを言うあたしに先生は大声を出した。
「行きなさい!」
グサッと胸の奥を刃物で刺されたような気がした。
「…はい」
あたしはそれだけ言い残して控え室を出るしかなかった。
先ほどの胸の痛みはやがて、刺されたというかえぐられたような痛みに変わっていく。
あたしじゃ先生の光にはなれないの?
気まずそうな顔をした先生がドアの向こうから姿を現す。
「何しているんだ?」
「先生、昨日のことなんですけど…」
あれは納得出来ません。
理由を言ってくれないなら、あたしは別れません。
そう言おうとすると先生が遮ってしまった。
「なぁ、青葉」
「はい?」
「誰しもみんな人に言えない秘密がある。それが人間ってものだ」
「はい」
「俺の場合、それがお前と別れなければならないものなんだ」
「だったらなんで今まで?」
「記憶の底に封印していた。しかし、あのラップを聞いた時、思い出してしまった。過去を」
反論しようとすれば出来た。
しかし、あたしは何も言えなかった。
キーンコーンカーンコーン。
本鈴が控え室に響く。
「もう時間だ。行きなさい」
「先生、そんな言葉遣いしたことなかったですよね?」
そんなことを言うあたしに先生は大声を出した。
「行きなさい!」
グサッと胸の奥を刃物で刺されたような気がした。
「…はい」
あたしはそれだけ言い残して控え室を出るしかなかった。
先ほどの胸の痛みはやがて、刺されたというかえぐられたような痛みに変わっていく。
あたしじゃ先生の光にはなれないの?