教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
すると誰かにぶつかってしまった。


「すみません」


「おう」


見ると、あたしが求めていた森田先生だった。


あたしは昼休みに会議室に行く時に例の作戦を実行していて、まだ服装を直していない。


だからスカートは短く、リボンはゆるく付けて、ワイシャツの第二ボタンは開けていた。


そんな服装だからか、先生は呆れた顔で言う。


「気づけばお前、だらしない服装だな。誘ってんのか?」


「ばっ…そんなわけないじゃないですか」


「そういえば服装で何回も注意されると、先生の言うこと聞かなきゃいけないんだよな。さて、次にそんな格好したら俺の言うこと聞いてもらおうか」


そう言って先生は妖しい笑みを浮かべる。


「教育実習生にそんな権限なんてあるんですか?」


「そんなの関係ないもん」


勝ち誇ったように笑う。


うわー、この人絶対Sだ。


あたしは無駄な確信を持った。


「な、何を命令する気ですか」


「そうだな…」


先生は少し考えてこう言った。


「お前が欲しい」


「え…」


いきなり先生が抱きしめてきた。


さっき翔君としたばかりなのに、あたしは無意識にそれを当たり前のように受け入れていた。


どうしちゃったの、あたし?
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