教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
-教育実習生の控え室-
「失礼します」
いつも通り、あいさつして入る。
ドアを開けると、長い足を組んで椅子に座っている人が目に飛び込んできた。
「翔君」
「ああ、水香ちゃん」
「…」
「ん?何かあったのかい?」
「あの、あたし、どうすればいいかな」
「?」
あたしは昨日の夜のことを簡単に話した。
沙奈さんの陰謀により、先生は教職をあきらめなくてはならないこと。
そして、このまま先生とあたしが恋人でいたらいつか世間にバレる時が来てしまう。
だからあたし達は別れなくてはならないこと。
「あたし、ダメなの。先生を忘れられる自信がないの。どうすればいいかな」
「森田を忘れる方法、それは」
言いながら翔君は優しくあたしを抱きしめる。
「僕を好きになることだ」
「え?ちょっと翔君っ」
戸惑うあたしを尻目に翔君は更にギュッと抱きしめる。
「僕にしなよ…」
翔君の声はどこか切なく聞こえた。
あたしは嫌がることも出来ないで、ただ翔君にされるままにされていた。
だが、やっと声を出した。
「ダ、ダメだよ。翔君。あたし、どうやっても忘れられない。こんなことされても」
「ごめん。しかし、君を好きな気持ちは変わっていない」
「…」
翔君の言葉は耳に届いていなかった。
まただ。
また寝不足で急にクラクラしてきた。
「水香ちゃん?!」
直後、あたしは意識を手放した。
「失礼します」
いつも通り、あいさつして入る。
ドアを開けると、長い足を組んで椅子に座っている人が目に飛び込んできた。
「翔君」
「ああ、水香ちゃん」
「…」
「ん?何かあったのかい?」
「あの、あたし、どうすればいいかな」
「?」
あたしは昨日の夜のことを簡単に話した。
沙奈さんの陰謀により、先生は教職をあきらめなくてはならないこと。
そして、このまま先生とあたしが恋人でいたらいつか世間にバレる時が来てしまう。
だからあたし達は別れなくてはならないこと。
「あたし、ダメなの。先生を忘れられる自信がないの。どうすればいいかな」
「森田を忘れる方法、それは」
言いながら翔君は優しくあたしを抱きしめる。
「僕を好きになることだ」
「え?ちょっと翔君っ」
戸惑うあたしを尻目に翔君は更にギュッと抱きしめる。
「僕にしなよ…」
翔君の声はどこか切なく聞こえた。
あたしは嫌がることも出来ないで、ただ翔君にされるままにされていた。
だが、やっと声を出した。
「ダ、ダメだよ。翔君。あたし、どうやっても忘れられない。こんなことされても」
「ごめん。しかし、君を好きな気持ちは変わっていない」
「…」
翔君の言葉は耳に届いていなかった。
まただ。
また寝不足で急にクラクラしてきた。
「水香ちゃん?!」
直後、あたしは意識を手放した。