教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
なのに胸の奥が熱くなっていく。


心臓が激しく音を立てる。


そうだ。


あたしは、この身体はこの人を欲しているんだ。


「青葉。あんなこと言ったけどやっぱりお前が好きなんだ…」


「あたしもです」


そうして何回も唇を合わせた。


先生が既婚者なんてどうでもいい。


ただ目の前の男性を求めていた。


最低だ。


他の男性のキスを受け入れた直後に、先生との抱擁に夢中になっている。


でも止まらない。


村井先生の時以上に、もう身体が熱い。


先生の言った通り、先生のものになってしまいたかった。


-翌日-


うーん、眠い。


森田先生のこと、翔君のことを考えてたら全然眠れなかった。


廊下で翔君にあったけど、気まずいので顔を見ないであいさつだけした。


「水香ちゃん。ちょっと…」


すると彼はあたしを人気のない場所まで引っ張っていく。


「ん?」


「昨日はごめん。いきなりあんなこと…」


「ううん、いいよ。気にしないで」


確かにびっくりした。


翔君がおかしくなってしまったかと思った。


だけど別にいい。


だって昨日、あたしのしたことの方が最低だ。


2人の男性を受け入れてしまったから。


「でも僕…」


「?」


「君が好きだったんだ。もうずっと前から」


「えええ!?」
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