教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
-4月-
あたしは大学に進まないで、都内の有名な証券会社に入社した。
大学に行って何を学びたいのか決まらなかったから。
英語は得意ではないし、まして他の外国語には興味すらわかない。
かといって好きな国文学を修めても、将来の夢が見つからないから意味がない。
お金ももったいない。
それなら社会に出た方が有意義だと思ったのだ。
しかし、就職することに決めても、今度は会社を選ぶのにかなりの時間を費やした。
進路指導でもあり、担任でもあった石野先生に「早く進路を決めないと」と、耳にタコが出来るほど言われて焦りを感じていた中、助っ人が現れた。
なんと翔君が家にやって来たのだ。
彼はあたしにこの会社を勧めた。
勧めたと言えば聞こえはいいが、実際は「こんな有名な会社に入れるわけない!」と騒ぐあたしをなだめ、好物のロイヤルリッチバニラアイスクリームで買収し、半ば強制的に入社試験を受けさせたのだ。
そして何を間違えたのか、見事に内定を頂いてしまった。
でもこんなに有名な会社に入れれば、来世で先生に会った時、恥はかかずに済むだろう。
っていうか自慢しちゃおう。
ふふ、と笑みが自然にこぼれる。
今のあたしの気分はまるで穏やかな朝の海だった。
しかし、少しでも気を抜くと次の瞬間には荒波の襲来のように先生への想いが溢れてくる。
あたしは大学に進まないで、都内の有名な証券会社に入社した。
大学に行って何を学びたいのか決まらなかったから。
英語は得意ではないし、まして他の外国語には興味すらわかない。
かといって好きな国文学を修めても、将来の夢が見つからないから意味がない。
お金ももったいない。
それなら社会に出た方が有意義だと思ったのだ。
しかし、就職することに決めても、今度は会社を選ぶのにかなりの時間を費やした。
進路指導でもあり、担任でもあった石野先生に「早く進路を決めないと」と、耳にタコが出来るほど言われて焦りを感じていた中、助っ人が現れた。
なんと翔君が家にやって来たのだ。
彼はあたしにこの会社を勧めた。
勧めたと言えば聞こえはいいが、実際は「こんな有名な会社に入れるわけない!」と騒ぐあたしをなだめ、好物のロイヤルリッチバニラアイスクリームで買収し、半ば強制的に入社試験を受けさせたのだ。
そして何を間違えたのか、見事に内定を頂いてしまった。
でもこんなに有名な会社に入れれば、来世で先生に会った時、恥はかかずに済むだろう。
っていうか自慢しちゃおう。
ふふ、と笑みが自然にこぼれる。
今のあたしの気分はまるで穏やかな朝の海だった。
しかし、少しでも気を抜くと次の瞬間には荒波の襲来のように先生への想いが溢れてくる。