教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
裏・教愛1 空白の2年間
先生と別れて10ヶ月ほど過ぎた。
学校が桜色に彩られる4月。
あたしは3年生になっていた。
だけど…。
ピンポンパンポーン。
〈3年5組、青葉。3年5組、青葉。職員室の石野のところまで来るように〉
「何?水香、また呼び出し?」
今年も同じクラスになった凛が聞いてくる。
「そうみたいだね」
「本当に大学に行かないの?」
これまた同じクラスになった陸が言った。
「うん。だって学びたいことが見つからないんだもん」
-職員室-
「ですから!あたしは大学に行くつもりはありません。学びたいことが見つからないのに、行っても無駄だと思います。それなら早く社会に出て、世の中のことを学びたいと思っていますので」
「だが、どこに就職したいんだ?」
「う…」
言葉が詰まる。
「就職と簡単に言っても楽じゃないんだぞ」
「そうですが」
「…遅くとも来週には答えを出しなさい。進路希望が決定していない3年生は青葉だけだぞ」
「…失礼します」
さんざん手厳しい言葉を浴びせかけられて、あたしは職員室を後にした。
なんだか矢をグサグサと突き刺されたダーツの的の気分だった。
「はぁ…」
思わず何回目かの重いため息がこぼれる。
さすが超進学校。
進学しないとなるとあまりいい顔をしてくれない。
別に進路なんて本人の意志であって、誰が就職しようと先生が口出しすることじゃないのに。
学校が桜色に彩られる4月。
あたしは3年生になっていた。
だけど…。
ピンポンパンポーン。
〈3年5組、青葉。3年5組、青葉。職員室の石野のところまで来るように〉
「何?水香、また呼び出し?」
今年も同じクラスになった凛が聞いてくる。
「そうみたいだね」
「本当に大学に行かないの?」
これまた同じクラスになった陸が言った。
「うん。だって学びたいことが見つからないんだもん」
-職員室-
「ですから!あたしは大学に行くつもりはありません。学びたいことが見つからないのに、行っても無駄だと思います。それなら早く社会に出て、世の中のことを学びたいと思っていますので」
「だが、どこに就職したいんだ?」
「う…」
言葉が詰まる。
「就職と簡単に言っても楽じゃないんだぞ」
「そうですが」
「…遅くとも来週には答えを出しなさい。進路希望が決定していない3年生は青葉だけだぞ」
「…失礼します」
さんざん手厳しい言葉を浴びせかけられて、あたしは職員室を後にした。
なんだか矢をグサグサと突き刺されたダーツの的の気分だった。
「はぁ…」
思わず何回目かの重いため息がこぼれる。
さすが超進学校。
進学しないとなるとあまりいい顔をしてくれない。
別に進路なんて本人の意志であって、誰が就職しようと先生が口出しすることじゃないのに。