教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
-旅行最終日-
俺達は帰りの飛行機に乗っていた。
「いやー、とうとう終わっちゃったな」
「ねー」
「また行こうよ」
「そうだな」
「今度はどこに行く?アタシは大阪がいいと思うんだけど」
「僕、沖縄がいい」
「わたし的には京都かな」
友人がそんな会話をしている中、俺だけはひたすら黙っていた。
いや、黙っていたというよりは話せなかったといった方がいい。
俺は耳が弱いらしく、飛行機の上昇と共に耳に激痛が走り、まともに話せない状態になっていたのだった。
おそらく原因は気圧の関係なのだろうが、なぜまわりの人は痛くないのか不思議でならない。
いっそのこと眠ってしまえればいいのだが、耳の中を支配する締め付けられるようなあまりの痛さは、眠りに落ちることも許さない。
そんなわけで1人だけ沈黙を保っていたのだった。
せっかくの楽しい北海道旅行だったというのに、行き帰りの飛行機に悩まされるとは。
下に置いたカバンのすき間から、生キャラメルや夕張メロンゼリーの詰め合わせセットの箱が見え隠れしている。
こんなんで大学を卒業して会社を継いだ後、大丈夫だろうか。
飛行機で何十時間もかけて諸外国に行く仕事も少なからずあるだろうに。
俺達は帰りの飛行機に乗っていた。
「いやー、とうとう終わっちゃったな」
「ねー」
「また行こうよ」
「そうだな」
「今度はどこに行く?アタシは大阪がいいと思うんだけど」
「僕、沖縄がいい」
「わたし的には京都かな」
友人がそんな会話をしている中、俺だけはひたすら黙っていた。
いや、黙っていたというよりは話せなかったといった方がいい。
俺は耳が弱いらしく、飛行機の上昇と共に耳に激痛が走り、まともに話せない状態になっていたのだった。
おそらく原因は気圧の関係なのだろうが、なぜまわりの人は痛くないのか不思議でならない。
いっそのこと眠ってしまえればいいのだが、耳の中を支配する締め付けられるようなあまりの痛さは、眠りに落ちることも許さない。
そんなわけで1人だけ沈黙を保っていたのだった。
せっかくの楽しい北海道旅行だったというのに、行き帰りの飛行機に悩まされるとは。
下に置いたカバンのすき間から、生キャラメルや夕張メロンゼリーの詰め合わせセットの箱が見え隠れしている。
こんなんで大学を卒業して会社を継いだ後、大丈夫だろうか。
飛行機で何十時間もかけて諸外国に行く仕事も少なからずあるだろうに。