教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
-羽田空港-
俺はふらふらになって飛行機から降りた。
ただ耳の痛みと戦っていただけなのに、まるで魂が抜かれたかのように頭の中は靄がかかり、疲れている。
「森田君、大丈夫?」
「ぐったりしているじゃないか。肩でも貸してやろうか?」
友人が次々に心配してくれるが、なんとか耐えた。
しかし、こんな状態で車に乗ると酔ってしまいそうなため、空港内の喫茶店で張替和弥(はりがえ かずや)と水上輝月(みなかみ きづき)と一服することにした。
他の5人のメンバーとは空港で別れた。
「では、今回の旅行で印象に残ったことは!?」
張替が聞いてくる。
「私は札幌の時計台と函館山から見た夜景だな。ダントツで」
「なるほどな。森田、お前は?」
「俺も夜景、それと五稜郭タワー。そう言う張替はどうなんだよ」
「オレは森田が飛行機の中で死人のような顔をして押し黙っていたことかな」
「ははは!」
張替の言葉に、水上は大爆笑する。
2人とも俺がどれほど耳の痛みに苦しまされたかも知らないくせにゲラゲラ笑うんじゃねぇ、バカが。
そんな風に心の中では悪態をつきながらも、彼らの笑顔を見ているとすぐに忘れてしまう。
そうしてしばらく穏やかな時間が流れていた。
俺はふらふらになって飛行機から降りた。
ただ耳の痛みと戦っていただけなのに、まるで魂が抜かれたかのように頭の中は靄がかかり、疲れている。
「森田君、大丈夫?」
「ぐったりしているじゃないか。肩でも貸してやろうか?」
友人が次々に心配してくれるが、なんとか耐えた。
しかし、こんな状態で車に乗ると酔ってしまいそうなため、空港内の喫茶店で張替和弥(はりがえ かずや)と水上輝月(みなかみ きづき)と一服することにした。
他の5人のメンバーとは空港で別れた。
「では、今回の旅行で印象に残ったことは!?」
張替が聞いてくる。
「私は札幌の時計台と函館山から見た夜景だな。ダントツで」
「なるほどな。森田、お前は?」
「俺も夜景、それと五稜郭タワー。そう言う張替はどうなんだよ」
「オレは森田が飛行機の中で死人のような顔をして押し黙っていたことかな」
「ははは!」
張替の言葉に、水上は大爆笑する。
2人とも俺がどれほど耳の痛みに苦しまされたかも知らないくせにゲラゲラ笑うんじゃねぇ、バカが。
そんな風に心の中では悪態をつきながらも、彼らの笑顔を見ているとすぐに忘れてしまう。
そうしてしばらく穏やかな時間が流れていた。