教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
先生の車の助手席。


テンションが上がる。


だけど昨日の寝不足がたたって、いつのまにか眠ってしまっていた。


「…おい」


「…むにゃ…」


「おい、青葉」


「すやすや」


「起きねぇと海底に沈めるぞ」


その言葉であたしは飛び起きた。


「先生、海底に沈めるとか殺人じゃないですか!」


「そうだな」


「この殺人鬼」


「お前さっきから変態だの殺人鬼だの暴言連発しすぎだぞ」


「だって本当のことじゃないですか」


「じゃ、さっきのを変態っぽく言ってやろうか。青葉、起きねぇと…」


そこで先生がいきなりあたしの顔を引き寄せた。


そしてキスをした。


なんか先生、キスばかりしてる気が。


やっぱりいやらしいっていうか変態だ…という思いは心の奥に秘めておこう。


そんなことを考えている間に、キスは激しいものに変わっている。


「…ん…」


だんだんと息が荒くなっていく。


「先…せ…」


そう言うのが精一杯だ。


先生の手があたしの手に少しだけ触れた。


「…っ」


それだけでなぜか反応する。


「青葉、まさかキスだけで感じ…」


「違います!」


けど先生の言葉は当たっていたかもしれない。


あたしは先生のすべてに溺れていた。
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