教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
「起きねぇと人前で今と同じことしてやるって言おうと思ったんだけど」
先生がいきなり言う。
「えっ?」
「どうだ、してほしいか?」
「いやあ、遠慮しておきます。っていうか、今のって別にやってみせなくてもいいじゃないですか。言葉で説明出来ることなんですから」
「あ、ああ。そうか?」
急に先生の歯切れが悪くなる。
もしかして…。
「先生、もしかしてしたかっただけなんじゃ…」
「仕方ねぇだろ。好きな奴の前だと、どうしてもダメなんだよ…」
先生は顔を真っ赤にして目を伏せる。
かわいいなぁ。
あたしは思わず頭をなでた。
先生はまだ顔を赤くしている。
しかも何かつぶやいている。
「ああ、大人の男のプライドが…」
「いっそのこと、そんなもの捨てたらどうですか」
「そしたら俺は森田湊典じゃなくなるからダメ」
「まったく意味がわからないんですが」
「森田湊典ってのはプライドが変に高い男だから、それを捨てたら別人になるんだよ」
「ふーん」
なんだかよくわからないや。
「そんなことより行くぞ」
「どこへですか?」
先生は、黙ってフロントガラスの方向を指さした。
会話に夢中で全然気づかなかったけど、そこには青く果てしなく続く海と空があった。
先生がいきなり言う。
「えっ?」
「どうだ、してほしいか?」
「いやあ、遠慮しておきます。っていうか、今のって別にやってみせなくてもいいじゃないですか。言葉で説明出来ることなんですから」
「あ、ああ。そうか?」
急に先生の歯切れが悪くなる。
もしかして…。
「先生、もしかしてしたかっただけなんじゃ…」
「仕方ねぇだろ。好きな奴の前だと、どうしてもダメなんだよ…」
先生は顔を真っ赤にして目を伏せる。
かわいいなぁ。
あたしは思わず頭をなでた。
先生はまだ顔を赤くしている。
しかも何かつぶやいている。
「ああ、大人の男のプライドが…」
「いっそのこと、そんなもの捨てたらどうですか」
「そしたら俺は森田湊典じゃなくなるからダメ」
「まったく意味がわからないんですが」
「森田湊典ってのはプライドが変に高い男だから、それを捨てたら別人になるんだよ」
「ふーん」
なんだかよくわからないや。
「そんなことより行くぞ」
「どこへですか?」
先生は、黙ってフロントガラスの方向を指さした。
会話に夢中で全然気づかなかったけど、そこには青く果てしなく続く海と空があった。