教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
この学校はもちろん勉強もだけど、それ以上に服装にうるさい。


もし何回もチェックされても直らなかったら、先生の言うことを聞かなきゃいけない。


どんなことでも。


だから森田先生に何回も注意されればいいんじゃない。


つまり悪い服装で気を引くわけ。


ふふふ、いいと思わない?


我ながらナイスアイデアだと思うんだけど。


よし、思い立ったら早速実行。


えーっと、今日の英語は…。


…って、今日はないし。


がっくり。


明日まで待たなくては。


「水香、何テンション下がってるの?」


凛のこんな問いかけにあたしは一言。


「別に」


-放課後-


よーし、明日こそ先生の視線を独占してやるぞ。


えいえいおーっ。


…と、心の中で言った。


告白のセリフはどうしよう。


「先生…好きなんです」?


これが妥当かな。


それとも「愛してる」?


いや、これは告白にしては大げさかも。


却下、却下。


うーん。


「先生…私、一目惚れしてしまったんです」


うんうん…って誰、今の?!


あたしは声が聞こえた裏庭に走った。


校舎の影からこっそり覗いてみると、知らない女の子の向かい側に…森田先生!!


告白のセリフを考えてた矢先、これですか。


嘘でしょー。
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