教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
-翌日-


英語は森田先生の授業。


まわりの女の子達は先生の後ろ姿に釘付けだ。


無理もない。


先生って後ろ姿も美しいんだから。


男性の色気を感じてしまう。


先生に触れたい。


先生に触れられたい。


あの広い肩に包まれたい。


あのキレイな手に、腕に抱きしめられたい。


あの美しい瞳に見つめられたい。


先生に慈しみ愛されたい。


先生の香りに抱かれたい。


そして…。


そんな衝動に駆られる。


この世にこんなに美しい男性がいるなんて。


そんなあたしの思いを知るはずもなく、先生は黒板にさらさらとこれまた美しい字を書いている。


村井先生の時以上に、あたしの心臓は速く脈を打っている。


もう顔だけじゃない。


先生のすべてが好きだ。


声も字も性格も全部。


さっきから欲望ばかりが湧き上がる。


なんとかして彼を落としたい。


手に入れたい。


あたしだけを見てほしい。


そして…独占してしまいたい。


「青葉」


いきなり先生があたしの名前を呼ぶので、思わず飛び上がりそうになってしまった。


「は、はい?!」


「昼休み、ちょっといいかな?」


「あっ、はい。わかりました」


何事だろう。


まぁ、ちょうどいいかも。


この時に告白しよう。


覚悟してて下さいよ、先生。
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