教壇と愛の狭間で～誰も知らない物語～

翌日は二日酔いで頭が痛かった｡


今日は土曜日｡


いつもだったら課外があるけど､出張の先生がいるから今日はない｡


ビバ出張｡


というわけであたしはベッドの上で頭痛との死闘を繰り広げていた｡


しかし､ただ横たわっていては際限がないので､起き上がって水を飲んでソファーにもたれた｡


まだ頭がガンガンする｡


でも本当は頭より心の方が痛い｡


本当にバカだ､あたし｡


今までの2週間を自分でダメにしちゃって｡


奥さんがいても先生はあたしを好きでいてくれる｡


終わりなんてないと思っていた｡


なのにあたしは…｡


あたしは先生の言葉も聞かないで怒ってしまった｡


あの取り巻きが無理矢理にキスしたことだって考えられるのに｡


後悔だけが溢れ出す｡


だからといって机を叩こうが､家の中を走り回ろうが､ゴジラが破壊光線を発射しようが事態は変わらない｡


あたしはスカイブルーのケータイをただ見つめていた｡


電話もメールも何も来ていない｡


もちろんあの人からも｡


気持ちが更に沈んだその時､いきなり陽気な着うたがケータイから聞こえてきた｡


この曲は電話だ｡


あたしは期待と緊張が入り混じった気持ちでケータイを開き､ディスプレイを見た｡