教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
次に目を覚ますと朝だった。
時計の針は午前9時を指している。
あたしは重い体を無理矢理起こしてカーテンを開ける。
とたんに朝の光が部屋に広がった。
しばらくあたしは朝日を見つめる。
このまま光の中に消え入ってしまいたい。
いっそ、そうすることが出来るのならケンカとかしないで先生のそばに無条件でいられるのに。
でも…もしそうなら先生と奥さんが仲良くしている所とか、結婚式の時も見ていなきゃならないんだよね、きっと。
それに光だったら、先生はあたしを好きになってくれなかったし、ましてや愛を囁いてくれることなんかなかっただろう。
先生に会いたい。
今すぐにでも。
あたしは胸に手を当てる。
あたしの心臓はこんなにも速く脈を打っているというのに。
どうして先週といい、今週といい、平穏な休日を過ごせないんだろうとまで思ってしまう。
「…」
あたしは昨日と同じように自分のケータイを見る。
やはり着信もメールもない。
ケータイは依然として沈黙を保ったままでいるのだ。
いくら見たって無駄だっていうのは、頭でもよくわかっている。
だって…。
だって最初からこのケータイのアドレス帳に、森田湊典の名前はないのだから…。
時計の針は午前9時を指している。
あたしは重い体を無理矢理起こしてカーテンを開ける。
とたんに朝の光が部屋に広がった。
しばらくあたしは朝日を見つめる。
このまま光の中に消え入ってしまいたい。
いっそ、そうすることが出来るのならケンカとかしないで先生のそばに無条件でいられるのに。
でも…もしそうなら先生と奥さんが仲良くしている所とか、結婚式の時も見ていなきゃならないんだよね、きっと。
それに光だったら、先生はあたしを好きになってくれなかったし、ましてや愛を囁いてくれることなんかなかっただろう。
先生に会いたい。
今すぐにでも。
あたしは胸に手を当てる。
あたしの心臓はこんなにも速く脈を打っているというのに。
どうして先週といい、今週といい、平穏な休日を過ごせないんだろうとまで思ってしまう。
「…」
あたしは昨日と同じように自分のケータイを見る。
やはり着信もメールもない。
ケータイは依然として沈黙を保ったままでいるのだ。
いくら見たって無駄だっていうのは、頭でもよくわかっている。
だって…。
だって最初からこのケータイのアドレス帳に、森田湊典の名前はないのだから…。