教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
そして今、デート中なんだけど…。


先生にゲーム売り場に強制的に連れていかれた。


「わぁ、5日くらい前に発売された『お茶犬の部屋DS3だ』」


…お茶犬の部屋?


先生、あたしはあなたのゲームのチョイスの基準がわかりません。


ファイナルファンタジー、ドラクエ、モンスターハンターの次にお茶犬?


次はなんだろう。


そこでナイスタイミングで先生が独り言を。


「そうだ、最近やってないからモンハンやめてポケットモンスター、略してポケモンやろうっと」


ポケモン!?


やっぱりわからない。


アクションとかRPGの中にお茶犬のゲームなんて。


なぜあんなかわいらしいキャラを…。


謎だ。


先生のイメージがこれ以上ごちゃごちゃになる前に、話を変えてしまおう。


「先生、スターバックスコーヒー、略してスタバ連れてって下さいよ」


「スタバ?この付近にはドトールか、タリーズか、珈琲館か、グロリアジーンズか、サンマルクくらいしかないぞ」


この町はなんでそんなに喫茶店があるのにスタバだけないんだ?


ため息をつきながらケータイでナビを見ると先生の言った店は1つもなく、スタバだけがあった。


「ちょっと先生、どういうことですか?」


「どういうことって?」


「もうネタは上がってんだ、白状したまえ」


と言いながらナビの画面を見せつける。


「うう、すまない」


本人の話によると、スタバを諦めさせてもう少しゲームを見たかったらしい。


さすがゲーマー。


とか言ったらまた「ゲーマーは関係ねぇだろ」とか言われそうだ。


っていうか例えば、もしあたしが「スタバを諦めて例えばドトールに連れていけ」と言ったら一体どうするつもりだったんだろう。


あたしはこの先のことを考えて少し頭が痛くなった。
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