教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
第十三楽章 あたし達のドタバタ劇
「ねぇ、水香っ」


席に戻ると凛が話しかけてきた。


「ん?」


「今日、放課後久しぶりにどこか行かない?」


「いいね」


「陸もOKだって言ってたしさ」


陸や凛と放課後を過ごすのか…。


そういえば、先生に出会ってからご無沙汰になっていたんだっけ。


「よし、行こう」


放課後、あたし達は出かけた。


出かける…と言ってもみんなお金を惜しんで、ただのウィンドウショッピングになっている。


でもそれだけであれだこれだと騒げる。


「見て!あのカバン、いいと思わない!?」


陸が指さした先にあったのは、いかにも高そうなオーラを放っているものだった。


その額、なんと30万円。


ありえない…。


「これもいいんじゃない?今度買おうかな」


凛が指さしたカバンの値段は50万円。


あたし、この人達の金銭感覚が理解出来ません…。


桜華風女子高生、恐るべし。


…って、自分もだけど。


あたしはせいぜい5万円くらいかな。


それ以上のものを買ったら、お小遣いが一気に消え失せてしまうもの。


って、それ陸の6分の1じゃん。


そして凛の10分の1。


あまりの違いに1人で愕然としているあたし。


そして哀愁漂う笑いを浮かべるのだった。
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