教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
大声で叫んでみたが、返事はない。
吹奏楽部の奏でる旋律やリズムが、どこか遠くから聞こえてくるだけだ。
凛は学校のどこにいるかまでは言っていなかった。
片っ端からさがすしかないかな。
しかし、ここは私立のお嬢様学校、桜華風女子高。
敷地の広さが半端ない。
そこで再び電話をかけてみるけど、つながらない。
と、いうか誰も出ない。
呼び出し音がむなしく聞こえてくるだけだった。
そして、まるでマニュアルでも読んでいるかのような無情なアナウンスが焦るあたしの心に容赦なく響く。
あたしはしばらくケータイを手にしたまま立ち尽くしていた。
「やっぱり片っ端からさがすしかないよね」
陸の言葉で我にかえる。
やはりそれが一番無難なのかもしれない。
特別棟、部室、普通棟、グラウンド、中庭、体育館、卓球場、学習館…。
どこにもいない。
教室にも、音楽室にも、地学室にも、保健室にも、美術室にも、生物準備室にも、図書室にも、職員室にもいなかった。
どうして…。
絶望だけがあたしの心に存在している。
正門前で2人で疲れて休んでいると、ふいに人影が見える。
それは凛だった。
今までさんざんさがし回った凛だった。
「あ、凛!…って、えぇー!」
吹奏楽部の奏でる旋律やリズムが、どこか遠くから聞こえてくるだけだ。
凛は学校のどこにいるかまでは言っていなかった。
片っ端からさがすしかないかな。
しかし、ここは私立のお嬢様学校、桜華風女子高。
敷地の広さが半端ない。
そこで再び電話をかけてみるけど、つながらない。
と、いうか誰も出ない。
呼び出し音がむなしく聞こえてくるだけだった。
そして、まるでマニュアルでも読んでいるかのような無情なアナウンスが焦るあたしの心に容赦なく響く。
あたしはしばらくケータイを手にしたまま立ち尽くしていた。
「やっぱり片っ端からさがすしかないよね」
陸の言葉で我にかえる。
やはりそれが一番無難なのかもしれない。
特別棟、部室、普通棟、グラウンド、中庭、体育館、卓球場、学習館…。
どこにもいない。
教室にも、音楽室にも、地学室にも、保健室にも、美術室にも、生物準備室にも、図書室にも、職員室にもいなかった。
どうして…。
絶望だけがあたしの心に存在している。
正門前で2人で疲れて休んでいると、ふいに人影が見える。
それは凛だった。
今までさんざんさがし回った凛だった。
「あ、凛!…って、えぇー!」