教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
第二楽章 再会
教室に戻って、それから同じことしか考えていない。
先生があたしに見せたもの、それは先生の左手。
いや、正確にいえば先生の左手の薬指に輝く指輪だった。
今もその残像が頭の中にしっかりとこびりついてしまっている。
さっきは先生と付き合えるならいいと思って夢中でOKしたけど、今考えるとなんだか…。
嘘だ。
嘘だよ。
先生が既婚者だなんて。
指輪なんかまったく気づかなかった。
でももしかしたら、気づいていたけど無意識に見なかったことにしていたのかもしれない。
先生が既婚者だなんて認めたくなかったから。
あたしは机に突っ伏す。
そうして涙を必死にこらえていた。
森田先生は既婚者。
あたしは普通の高校生。
なんだか違う。
なんかおかしい。
だけど…気持ちが止まらない。
この気持ちはブレーキも無効。
すでに制御不可能だ。
昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴る。
あたしはゆっくり体を起こした。
次は生物だ。
やはり教育実習生は黒スーツの人が定番なのだろうか。
黒スーツと白のワイシャツに、紺色のネクタイをきっちり締めた人が入ってくる。
「…!」
その教育実習生を見てあたしはまた固まった。
そして言葉も失った。
先生があたしに見せたもの、それは先生の左手。
いや、正確にいえば先生の左手の薬指に輝く指輪だった。
今もその残像が頭の中にしっかりとこびりついてしまっている。
さっきは先生と付き合えるならいいと思って夢中でOKしたけど、今考えるとなんだか…。
嘘だ。
嘘だよ。
先生が既婚者だなんて。
指輪なんかまったく気づかなかった。
でももしかしたら、気づいていたけど無意識に見なかったことにしていたのかもしれない。
先生が既婚者だなんて認めたくなかったから。
あたしは机に突っ伏す。
そうして涙を必死にこらえていた。
森田先生は既婚者。
あたしは普通の高校生。
なんだか違う。
なんかおかしい。
だけど…気持ちが止まらない。
この気持ちはブレーキも無効。
すでに制御不可能だ。
昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴る。
あたしはゆっくり体を起こした。
次は生物だ。
やはり教育実習生は黒スーツの人が定番なのだろうか。
黒スーツと白のワイシャツに、紺色のネクタイをきっちり締めた人が入ってくる。
「…!」
その教育実習生を見てあたしはまた固まった。
そして言葉も失った。