教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
夕食前、自分の部屋であたしは高ぶる気持ちをごまかそうとCDを聞いていた。


最近、好きになった音楽。


クラシックではなく邦楽である。


タイトルは『The End Of Winter~One-sided Love』。


特に歌詞が好き。


ひらりひらり舞い落ちる雪


ふわりふわり積もりゆく気持ち


寒空の下夕焼けをいつまでも眺めていたの


あなたを思って


わずかな瞬間も逃さずあたしの目はあなたの1秒1秒の瞬間を映し出していた


だけどあなたの瞳にあたしが映し出されることはなくて…


ゆらりゆらり揺れ動く心


きらりきらり落ちゆく涙


桃色の桜卒業証書が映える時見ていたの


彼女と話すあなた


どんな時もいつもあたしの頭はあなたの笑顔と笑い声に満ち溢れていた


だけどあなたは決して笑いかけてくれることはなくて…


わずかな瞬間も逃さずあたしの目はあなたの1秒1秒の瞬間を映し出していた


だけどあなたの瞳にあたしが映し出されることはなくて…


こんなにも好きなのにあれから時は経ち


もうすぐ夏が来る…



と、こんな内容だ。


先生に言ったら「俺は恋愛の歌は聞かねぇ」って言われた。


そこで「うーん、話が合わないなぁ」と言うと、「すまん」と真剣に謝られてしまったっけ。


なんだかそんなことを思い出しているうちにいつのまにか眠っていた。
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