ー居場所ー
この男の子にワケを話した。

「そっか…。そいつらただの弱くてバカなだけだよ」

『弱いのは…あたしです。
たったあんな言葉とあんな事をされて何も言えなかった。

なのに…泣いて逃げただけ…』

「君は弱くないよ♪
たった独りで誰にも言わないで耐えようとしたんでしょ?
なら。強いよ」

……名前もクラスも知らない男の子なのに。
色々と我慢出来なくなって
抱き着いて泣いてしまった。

…しばらくして
「落ち着いた?…桜ちゃん♪」

『?』
『なんで名前を?』

「だって隣のクラスだもん☆」
『へ?』

桜は5組。
じゃー…

「俺4組ね」
………。
知らない。

「あれ?俺よく5組行くんだけど…」
…知らない

「ま。俺は一ノ瀬陽ね。ハルでいーよん☆」
んじゃ、と言って手を振って去っていった。

「あ。辛くなったら4組来いよ!」

その言葉が嬉しくて…嬉しくてまた泣く桜だった。
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