コンプレックス*ラヴァー
「なんかもう、“公認”になっちゃったみたいだしね」
楽しそうに笑うカズヤの視線をたどって、もう一度、振り返って見れば……
「なっ…」
彼女の周りには、人だかりができていて……
「…そっかー、じゃあ、くるみちゃんは今日から新一の“彼女”になるんだね?」
その中心にいるのは、なぜかモトキで。
「はいっ!」
満面の笑みで肯定する彼女がいて。
「俺、新一の“親友”のモトキ。困ったことがあったら、いつでも相談しに来てね?」
「ありがとうございますっ」
ちゃっかり握手なんかしちゃってるし。
「うわーっ、いいな新一っ」
それを見たクラスの奴らの野次が飛び……
「大事にしろよー?」
「くるみちゃんを泣かせたら承知しないからな?」
どこからか、カズヤの言う“ファン”らしき声も聞こえ……
「先輩の皆さん、ありがとうございますっ!私たち、絶対に幸せになりますからっ。」
俺を無視して、異様な盛り上がりを見せていた。
……何だ、コレ?