コンプレックス*ラヴァー
01*春のはじまり
……一体、何が起こったんだろう?
「あ、おかえり~」
イマイチ状況が掴めないまま、ぼんやりと教室に戻った俺。
「おつかれさまっ。今日はどんな子だった?」
いつものように、好奇心いっぱいに駆け寄ってきた悪友・カズヤを無視して、黙って席に着く。
悪いけど、相手をしてやる余裕がない。
だって……
「おーい?新ちゃーん?どうした?大丈夫か?」
黙りこくる俺の目の前で、カズヤの掌がひらひらと動いている。
「んー…」
「もしかして、また無茶なこと言われたのか?
今度は何?隠し録り?私物の提供?1日デートのセッティング?」
「……いや。」
「じゃあ、何?」
“何”って言われても……
「……“告白”された」
「え…?それはわかってるって。いつもと同じだろ?」
怪訝そうに眉をひそめるカズヤ。
何をわかりきったことを?とでも言いたげだ。
でも、そうじゃなくて……
「“俺が”告白された……みたい。」