コンプレックス*ラヴァー



「……ああ、ごめん。」



ハッとしてくるみのほうを見れば、帰る用意が整ったようで……

しっかりカバンまで握りしめて俺を見上げていた。



「帰ろっか?」



軽く微笑みかけて、駅まで送るべく、ドアのほうへ向かった…とき、



「……ん?」


くいっ、と俺の腕を掴んで引き留めたくるみ。


「何?」


少しかがんで、くるみの視線に合わせてみれば……



「あのね、くるみはいつでもオッケーだから。」



にっこり笑って、意味不明な言葉を発した。



「……へっ?」


「くるみは、とっくに覚悟も準備もできてるから。……1年前から、ね?」



……何の話だっけ?



「だから……
新ちゃんがしたくなったら、すぐに言ってね?」



……ん?何、を??



「くるみは、いつも可愛い下着で待ってるからね?」


えへ、って。
その顔はいつ見ても可愛いけど……


待ってる…下着……って、はあっ??



「さ、帰ろう」



……なんて子だ。


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