コンプレックス*ラヴァー
「とりあえず、まずは本人に確認してみろよ。」
側で、黙って話を聞いていたモトキのアドバイス。
「くるみちゃんに聞きにくいなら、慎也でいーじゃん?悩むのはそれからにしろ」
……ごもっとも。
さすが、糖分を補給したばかりの頭は冷静だ。
「頑張ってね、新ちゃん!
俺はいつだって新ちゃんの味方だからねっ!!」
カズヤにも後押しされて……
放課後。
とりあえず、慎也の家に行くことにした。
今日の分の“定期便”も渡さなくちゃいけないし……
あわよくば、さりげなく、真相を確かめられれば……なんて。
全部、アイツらが立ててくれた作戦なんだけど。
そういや、今日はくるみと帰れなくてちょうどよかったじゃん。
まるで、見計らったようなタイミングだ。
そんなことを考えながら、ぼーっと歩いているうちに、気づけば慎也の家の前。
いるのかな?と若干戸惑いつつも、慎也の部屋を見上げた、そのときだった。
ガチャッと、玄関が開く音がして。
誰かが出てくる気配。
そして
「くるみっ!」
慎也の、声。
「送っていってやるよ。」