コンプレックス*ラヴァー
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「……いた。」
中庭、到着。
不運なことに、テニスコートと中庭は対角線状に位置していて。
なんか、こんなに走ったの久しぶりかも…ってくらいに、頑張ってたどり着いた。
あー…。やっぱり体がなまってる。
いい加減、部活も出ないとダメだなぁ…なんて思いながら、呼吸を整えて。
やっと落ち着いてきた俺は、まっすぐに、そこへ向かって歩き始めた。
中庭の隅っこ。
校舎寄りの一画にある、芝生の繁った場所。
そこで、小さな身体をさらに小さく丸めてしゃがみ込む後ろ姿。
それは、間違いなく……
「……くるみ。」
1週間、避け続けた、
でも本当は一番会いたかった“彼女”だった。