コンプレックス*ラヴァー
「……なんだよぉ」
一気に気が抜けて、俺はへなへなとその場にくずれ落ちた。
「バカみたいじゃん、俺。」
ぽつりと呟いて、項垂れる。
「……新ちゃん?どうしたの?」
そんな俺を追うようにしゃがんで、
「もしかして、まだ具合悪いの?大丈夫?」
くるみは、心配そうに窺ってくる。
「……や。もう平気。」
この際もう、そういうことにしておこう……うん。
「ホント?ホントに平気?」
聞きながら、なぜか俺のおでこに手を当てるくるみ。
って、そっか。熱?
「大丈夫だから。」
それをどけて、そのままきゅっと握りしめた。
久しぶりの感触。
ちっさくて…温かい。
やっぱり、俺はこの手を離せそうにないや。
「……ところで」
気になることが……
「くるみは、ここで何してんの?」