コンプレックス*ラヴァー
「おー、今日も大量だねぇ?」
……放課後。
俺のカバンを覗き込みながら、カズヤが大袈裟に驚いてみせた。
そう…。
あの後、さらに数人の女の子に呼び出されて、手紙やらプレゼントやらを押し付けられたんだ。
「すごいよなぁ。まだ入学して間もない1年生まで来るんだもんなぁ。」
カズヤの視線の先には、“1-A”と名前が書かれた封筒。
確かに、入学式からまだ1週間も経っていない。
慎也ならわかるけど、なんで俺のことまで知られてるわけ?
「そういや、お前の“彼女”って何年?」
「……はっ?」
またしても、突然現れたモトキ。
「ちらっとしか見えなかったけど、ちっちゃかったよな?1年生?」
……どこで見てたんだよ?と思いつつも、
「2年、って言ってた…って言うか、別に“彼女”ってわけじゃ…」
「えっ?新ちゃんフっちゃったの?最初で最後のチャンスかもしれないのに?」
……失礼なやつだ。
「フったわけじゃ……」