隣に住んでいるのは先生で……。



「あっ!」



突然、先生は大きな声を出した。



何だろうと思いつつも、私は先生を抱きしめたままだった。






すると………



「綾子、そろそろ行かなきゃいけないんじゃ……」



そう言って、先生は離れようと私の肩を持った。






何度エレベーターがこの階に来ても乗らずに見逃しただろう………。



先生のさっきの一言でしばらく、ここに居たことを知った。



でも、私は………






「やだっ………」



その瞬間、私はそう言ってさっきより強く抱きしめた。



「えっ………!?」



先生は私の思わぬ行動に慌てている。






「もう少し……もう少しでいいからこのまま………」



なんて、子供みたいな行動を取ったんだろう………。



でも、今は離れたくなかったから………。



私は先生を困らせてまで引き留めた。



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