隣に住んでいるのは先生で……。
今更こんな気持ちになるなんて………。
私はあの時だって泣かなかったんだ………。
“綾子の顔なんか見たくない!綾子なんか………大嫌い!!!”
あの時だって………。
なのに………
どうして、こんなにも涙が止まらないんだろう。
もともと泣き虫なんかじゃないのに………。
それから、しばらくお姉ちゃんの部屋で泣いていた。
この部屋にいるだけでお姉ちゃんの近くにいるような気持ちになれた。
それだけで遠く離れたお姉ちゃんの存在を近くに感じられた。
それから、お姉ちゃんは一度も実家には帰って来ていない。
だから、お姉ちゃんとはそれっきり会っていない。
今、どこで何をしているんだろうか………?
それでも、ただ笑ってくれていたらそれでいい。
私は大好きだったから………
お姉ちゃんの笑顔が………。