隣に住んでいるのは先生で……。



―――付き合い始めて一ヶ月ぐらいたったある日。



私は放課後、先生に会いに久しぶりに数学準備室に向かっていた。



先生いるかな………?



そして、数学準備室のドアを叩いた。



―――コンッコンッ



「はい………」



数学準備室の奥から先生の声が聞こえた。



やった〜!!!



私は思いっきりドアを開けた。



―――ガラガラッ



ドアを開けた瞬間、机に目を向けていた先生の姿が目に映った。



「先生………」



「綾子………?」



私の声に反応した先生は視線を机から私に向けた。



「先生………。元気だった?」



そう言った私に嬉しそうに先生は微笑みながら………



「元気だったよ」



そう言った。



数学準備室は先生がしか使っていないから、ここに来ると二人っきりになれる。



きっと、学校で唯一二人っきりになれる場所だと思う。



「今日は早く帰るつもりだったから、後でメールしようと思ってたんだ」



「そうだったんだ。最近先生は忙しいみたいで会えなかったから………」



最近、先生が忙しそうにしてて、先生とはなかなか会えてなかった。



だから、久しぶりに数学準備室に訪れたんだ。



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