隣に住んでいるのは先生で……。
「最近、綾子に気になることがあるんですけど………」
先生がお母さんにそんなことを言っていた。
何………?
気になること………?
「何かあったの………?」
「前の倒れた時のことなんですけど………。少しずつ記憶が戻っているような感じがするんです」
「記憶が!?本当に!?」
「少しみたいですけど………。それでも、やっぱり僕のことは思い出せないみたいで………」
「そうなんだ………」
「思い出して欲しいですけど………。綾子は僕のために無理矢理思い出そうとしているみたいで………」
見られてたんだ………。
私は最近、一人でいる時には昔のお姉ちゃんと先生と私が笑って三人で写っている写真を見ていた。
それを先生に見られていたなんて………。