隣に住んでいるのは先生で……。
そういえば昔、よくお母さんがある写真を見せていた時期があったことを思い出した。
「綾子見て………」
「誰………?」
「これは綾子とお姉ちゃんと直哉くんっていう幼なじみの子よ」
「へぇ………」
「三人とも仲良かったんだよ」
あの時は聞き流していたようなことも、実は私の記憶を戻すためにやっていたことだったんだ。
今思うと、そういうことを記憶を戻すために何度もやってくれたお母さん。
ありがとう………。
先生も私とオムライス食べに連れて行ってくれたのは、私が大好きだって知っていたから食べに連れて行ってくれたんだね………。
ありがとう………。
私には周りのみんながいたから、今の私がいるんだね………。
先生もお母さんもお姉ちゃんも敢えて事故のことも言わなかった。
辛いことを思い出させないためのそんな優しい配慮がとっても嬉しかった………。