隣に住んでいるのは先生で……。
そして、いつものように宿題をしていたある日。
「直くんは将来何になりたいの?」
「えっ………決めてないな」
「綾子も………」
「でも、最近教師もいいなぁって思う」
綾子を教えて、人に教える喜びを覚えた俺はたまにそう思うことがあった。
「教師………?」
「先生だよ。学校の先生」
「先生!直くんにピッタリだよ!綾子に勉強教えるのとっても上手だもん」
その時の綾子は目を輝かせながら言った。
「ありがとう………////」
綾子の言ってくれたひと言が俺にとって、とっても嬉しかった。
「もし、直くんが先生になったらね………」
「なったら………?」
「綾子が結婚してあげるよ!」
何を言うかと思えば………。
「結婚なんて言って、そんな約束守れないだろ………」
「絶対に綾子は守るからね」
「はいはい………」
あの時は全く信じていなかった。
だけど、後からこの言葉を信じて教師を目指すことになるなんて、この時の俺には想像もつかないことだった。
FIN.