隣に住んでいるのは先生で……。
そんなことを考えていると……
先生の車は学校の手前で止まった。
「ここで降りろ………」
「えっ………」
「学校にこのことが分からないように、ここで降りて………」
「あっ………うん………」
車のドアを開けて、外に出た。
それから、私は先生の方を向かずに歩いて行った。
車を降りるときに、私は小さな声で言った。
彼に聞こえるか、聞こえないか分からないぐらいの小さな声で……
「……ありがとう」
その一言だけを……。