あたしの胸は小さいけれど【完】
「毎年、夏になったら行きたがるじゃない。でも、今年は何にも言わないから、あたしから誘ってみたの」
「・・・・・」
「ねぇ、行こうよ・・・」
「・・・分かった」
あたしの家の前に着いたら、そう一言言い残してカレは今来た道を引き返して行った。
あたしのカレ 拓斗(たくと)は、いつも自分の家を通り越してあたしを家まで送り届けてくれる。
そういう所は優しいままなのに、拓斗は最近少し変わってしまった。