あたしの胸は小さいけれど【完】
『ねぇ、ちゃんと分かってる?紗希』
携帯電話から聞こえてくるのは、親友、アヤの声。
彼女は、あたしの恋愛相談相手。
最近は拓斗との愚痴を聞いて貰ってばかり。
「うん、頑張るよ!“お色気ムンムン作戦”だっけ?ネーミングがかなりおやじくさいけど、なんとなく内容は分かったから」
『ネーミングは気にしないで・・・でもうちのお父さんが“今も昔も男はそれに弱いもんだ”って言ってたから大丈夫だよ!』
アヤが言う“作戦”は要するに水着姿で拓斗のハートを再加熱ってコト。
「でも、拓斗はあたしの水着姿なんて毎年見てるんだよ。今更、そんなんでドキッ!てさせる自信はないよ・・・」