2人だけの場所
第4章
次の土曜日、野原で約束した。
待ち始めて30分後、町のほうから女の子がやって来た。
・・・ハナだ。
「ハナ、おはよう」
「・・・。」
「この前は、ほんとにごめんね。そんなつもりじゃなかったんだよ。ただ、ちょっと気になっただけ・・・。」
「もういい。ちゃんと話すよ。あのね、あの写真はね、私のほんとの家族なんだ。」
「???」
「マリも会ったことがある今の家族はね、新しい家族なの。小さい頃に親にすてられたから・・・。家の中さがしたら、あの写真をみつけたの。だから、いつも持ってる。
今も持ってるよ。ほら・・・。」
かばんの中から出てきた見覚えのある写真。
ハナの家族だったんだね。