親友ときどき上司~熱風注意報~
「大丈夫。なんとかリザーブできてるから。」
安心させるように瑞希の髪を梳きながら荘司は苦笑した。
「何?ミズキ、本当に野良猫ナノ?」
瑞希がホテルに泊まると言った事で、瑞希に家がないと思った透子が驚いたように言う。
「…保護、されてるのかな?」
野良猫扱いされた瑞希は、全く悪意のない透子に苦笑して荘司を見ながら言った。
荘司は反論する事を諦めた様子で目を伏せて溜息を吐いた。
「分かったらホテルに行って。」
疲れた表情の荘司は、透子に向かって玄関を指差す。
「…本当に、保護、なのよネ?」
透子が瑞希に近付きながら言う。
近付かせまいと瑞希を後ろに隠そうと前に出た荘司を、透子はすっと押し退けて瑞希の頬に触れた。
「…コレはナニ?」
殆ど消えかけている痣に触れられ、瑞希は吃驚した表情で透子を見上げた。
荘司より淡いブラウンの瞳が細められると、眉間に皺を寄せた透子は瑞希のブラウスのボタンを外し出す。