親友ときどき上司~熱風注意報~


「透子っ!」

 されるがままになっている瑞希の代わりに、荘司が止める。

 ブラウンの瞳は荘司を一瞥すると、瑞希からブラウスを剥ぎ取った。

 静か過ぎる怒り方まで荘司そっくりだった。


「あ、あの透子さん、えっと…」

 隣に立った荘司も、黙って透子を見据えていて、下着姿の瑞希は重い雰囲気に狼狽える。


「あの、こうなったから、保護、されて、ます。」

 そっくりな姉弟の静けさに根を上げたのは瑞希だった。


 話す気のなかった荘司に、何で言うんだとばかりに溜息を吐かれた。


 このまま黙っていれば、荘司が透子に誤解される。

 姉弟の間にそんな蟠りなど作りたくない。



 何より、下着姿の自分が恥ずかしい。

 さっき荘司に眉間の皺を作らせた下着を見られたくなかった。


「良かった。弟を締め上げて火炙りにしなくてはいけないかとオモッタ。」

 安心したように言った透子の言葉に、荘司の顔が引きつる。
 
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