親友ときどき上司~熱風注意報~
「あの…服、着てもいいですか?」
そろそろと両手で胸を覆った瑞希は、透子と荘司に背中を向けた。
「綺麗な黒髪ネ。」
背中を流れる瑞希の真っ直ぐな髪に触れる透子に首だけで振り向いた瑞希は、その目が痛々しい痕を見ている事に気付く。
何も聞かない透子は、きっと性格も荘司に似ている。
「荘司が冷やしてくれたから、もう痛くないですよ?」
笑って言った瑞希に、そう良かったと透子も微笑んだ。
「ところでミズキ、このブラ素敵ネ。ジュンジョーな感じのミズキとのギャップが良いワ。ネ?荘司。」
「………」
触れられたくない話題にアッサリ触れた透子は、触れられたくない話題を荘司に向け同意を求めた。
何も言わない荘司に瑞希は俯く。
やっぱり、似合わなかったんだ。