親友ときどき上司~熱風注意報~
瑞希と荘司の間に流れる微妙な空気に、透子がくすくすと笑い出す。
「褒めないのネ?こんなに似合っているのに。」
瑞希の髪を梳きながら言う透子の触れ方は荘司にそっくりだった。
「瑞希に触らないで。」
低い声で言った荘司を気にする事のない透子は、瑞希の背骨をすっと撫で上げる。
「っ!ひゃ、ンッ!」
飛び上がった瑞希に、荘司は大股で近付いて来ると透子から引き離すように片手で抱き締める。
「素直に褒める事もしないなんて、ミズキが可哀想だワ。」
透子の言葉に、見上げた荘司が跋の悪そうな顔で溜息を吐き瑞希を睨む。
睨まれた瑞希は、荘司に非難されているようで瞳を潤ませた。
「…どんなに似合っていても、褒めないわよ。他の男に薦められた下着なんかっ。」
吐き捨てるように言って瑞希から目を逸らした荘司の耳が僅かに赤く染まっていた。
「アラ、そーゆうコト?デモ、ミズキは荘司の為に着たのにネ?」