親友ときどき上司~熱風注意報~
心も体も傷の癒えていない瑞希を抱くのは躊躇われる。
「あんなに可愛く鳴かれたら、加減なんて出来ないのよ…」
キッチンに入り冷蔵庫を開ける荘司は、尚更食事は食べさせようと苦笑した。
次に触れてしまえば当分離す事のないだろう自分が安易に想像できる荘司は、瑞希へ同情する。
それでも、出来ればこれ以上煽られない事を願いながら、荘司は厚めにカットした牛肉をソテーし野菜と一緒にパンに挟んでいく。
「とりあえず、肉を食べさせておこう。」
瑞希の体力を考えている自分に、荘司は肩を竦めて自分に呆れた。
出来上がったサンドイッチをテーブルに置いていると、リビングの扉が開き黒いロングのナイトウェア姿の瑞希が入ってくる。
その顔がまだ怒っている事に、荘司はどこかほっとした。
このまま食事して寝てくれないかと、考えた荘司は近寄って来る瑞希に目を剥いた。